自分の中では一番思い出深く、記憶に残っているライブといえば、このライブになります。
企画、立案が自分だからというのはもちろんなんですが、なにせ気持ちよかった! この一言に尽きます。
もともとのアイデアは、たまたまホコ天で、ストリートライブをやっていたバンドを見かけたことです。彼らはアコギ2本とスネア、カラオケ付きマイクみたいなので演奏していたんですが、「あ、ここでライブできたらええなぁ」と直感的に感じました。 その頃のマージービートはシングル発売後ベースが交代し、さあこれからって感じで、もっといろんなお客さんにアピールしたいという気持ちが強かったです。実際、バーボンやバナナでの対バンで、そこまで客が入らないというジレンマもあり、話題づくりをしたかった という事もあったと思います。 メンバーに提案したところ、「ええなぁ!やろう!」と特に反対もなく、やることが決まり、機材運びはトシオの軽トラ、スピーカーは、職場のを借りて、(カーニバルプラザ) PA、ケーブル、ドラム、マイクなどの機材はカーニバルの野外コンサートでお世話になっている業者に、当日のヘルプはSaturday's Kidsの有志で、という事で話はとんとん拍子で進みました。
ライブは天気のいい夏のある日曜日に決定しました。 当日朝、興奮気味で梅田に到着し、機材を降ろしさあ設定!と思い準備をしだしたところで、思わぬ落とし穴というか、今から思えば当然なんですが、全く考えていなかったとんでもない事態が起こりました。 写真は機材を下ろして準備をしているところです。
機材をほぼ下ろし終わり、さぁ、音だしてみようかと思ったときに、
「君たち何してるんだ!」との声が後ろから。
振り返るとそこには、巡回パトロール中の大阪府警の警察官が2名ほどおられました。
「ここは歩行者天国だよ。一体君たちは何をしようとしているんだ? 許可なく集会などをすることは、ここでは認められていない。道路交通法違反で検挙するよ。」
と注意を受けました。よく考えれば、曽根崎警察署も目と鼻の先で、そんなことをやろうとしていた自分たちも、勇気があるというか、なんというか・・・ですねー。
ネズミ捕りのスピード違反で捕まったり、一方通行逆行の終点で待ち伏せてる警察官相手なら、啖呵の一つでも切ることをいとわない浪速のど根性満載のSaturday's Kidsではありましたが、流石にこの場面では「だめなんですかぁ?なんにも知りませんでした、ゴメンナサイ。」と平謝りしました。この場にもしKawaiメンバーが居たら、「うるさい、1つ星のくせに威張るな!」などと暴言吐きそうでしたが、幸いいなくってよかったです。(笑)
「早く片付けなさい。」と言いながら警察官は立ち去ってゆきました。
もちろんここで諦める浪速のど根性Saturday's Kidsではありません。このまま諦めて帰るのも悔しかったのと、逮捕されるという実感のなさもあり、(若さですねぇ。)
誰が言うわけでもなく、「んじゃ、あっち側でやろうか?」ということで、意見がまとまりました。要は歩行者天国の反対側の端でやろうと言い出したのです。
20分ほどほとぼりを冷ました後、車連中はぐるっと車を回して反対側に駐車してセッティングを開始しました。今回は初回よりも皆手慣れたもんで、音を出せるまで10分ほどで完了しました。
今度は反対側に機材設置開始
歩行者天国なのに、我々が何かをしようとしているので、なにか始まるのかな?って感じで人たちはは遠巻きに見つめていた。 セッティングが完了、中戸くんがギターを掻き鳴らす。
「ジャ~ン、こんにちは、マージービートです! Rebellion to Town!」てな感じで演奏をはじめました。
セットリストを作っていたわけではないので(というか、テンパっててそこまで頭回らなかった。)1曲終わるたびに、「んじゃ、次あれやろうか?」みたいな感じでえんそうしてゆきました。驚いたのは演奏が始まってから、人が音を聞きつけどんどん集まってきたことです。あっという間に、周りは人だかりとなりました。
どんどん聴衆が増えだし、もっち近くで演奏を見る人、ついには踊りだす人まで出てきました。
演者もノリノリです!あっという間の30分、ホコ天は大盛り上がりでした。
さすがにちょっと疲れてきたので15分ほど休憩しました。
チューニングを合わせてくれるヤモトくん、皆楽しそうですね。
十分に休んだのでセカンドステージ開催。
また人達が集まってきました。
相変わらず、セットリストなしでの演奏ですが、演者もノリノリです。
あっという間に2回目の演奏も終了しました。 実はこの途中、人ごみの中からこちらを見つめる制服を着た人たちが・・・。 同じ人かどうかはわかりませんが、人ごみの後ろで警察の方がこちらを見つめていたのですが、そのまま見過ごしてくれました。なんとも粋な計らいに大感謝でした。
このあと、用意してあったカセットテープとビラを配ったのですが、人が殺到してあっという間になくなりました。
そして、歓声と拍手に包まれ、大満足で歩行者天国ライブを終えました。 イヤー、本当に楽しかった。こんなに人に注目されたのも、喜んでくれたのも、ライブハウスでは無い経験でした。
おまけ:
私の役目は後ろでミキシングだったのですが、なぜか私にライブ中に話しかけてくる人が数人いました。Saturday's Kidsのメンバーや知り合いのバンドの人もいたのですが、全く見ず知らずの人もいました。左の写真の人は確か大道芸人で、自分のパフォーマンス云々の話だったような。真ん中の人は今はなきノンストップカイマンの方です。
By:鈴木博之
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